政治システム
政治システムの文化混合性、すなわち近代性と伝統性の混合は、等しく西洋のシステム、非西洋のシステム双方にあてはまります。
それゆえ、政治システムの分析に適切なモデルは、議会、官僚機構、裁判所政党、利益集団、マス・メディアなどの分化され特殊化された構造と、極めて重要な政治構造として持続している前近代的構造との相関関係を考慮に入れねばならないでしょう。
近代的な工業化の進んだシステムもそれのみで存在しているのでなく、そのシステムの内部に常に農業的なシステムを包摂していることを銘記しておく必要があります。
例えば、西洋の議会と非西洋の議会とには明らかに相違があります。
しかし、インフォーマルな第1次的集団を含んでいるという点では両者に違いはありません。
政治構造の二元性近代性・伝統性一は単に西洋の政治システムの特徴であるばかりでなく、非西洋および原始的システムの特徴でもあるのです。
すなわち、伝統的システム、原始的システムにあっても、第1次的構造、第2次的構造ともに混在しています。
しかも、そこでの第2次的構造も極めて近代的な特徴特殊性、普遍性、業績達成を有しています。
あえて、この点に関する両システムの相違を求めれば、先ず第1に、近代的な西洋のシステムにあっては、第2次的構造・関係が伝統的システムに比べはるかに分化が進み重要であること。
第2に、近代的システムにおける第1次的構造が第2次的構造によって影響を受け、近代化される傾向があることです。
例えば西洋の立法機関と非西洋のそれを比較してみます。
双方ともフォーマルな構造、インフォーマルな構造を2つながら持っています。
しかし、西洋の議会にあっては、フォーマルな議会の規範に対する議員の忠誠は自らの第1次集団の規範への忠誠より(非西洋の議会の場合に比べ)大きくなるのです。
換言すれば、第2次的構造の方が効果的だといえます。
また、非西洋の議会のインフォーマルな構造は西洋の議会で見られるものと性格を異にしています。
非西洋の議会にあっては、インフォーマルな構造は拡大された貴族的な家庭の絆、カースト、宗派に基礎を置いているかもしれません。
これらの集団の方が、議会委員会や党内分派よりも言葉の真の意味での議会の決定作成構造となりうるかもしれません。
逆に、西洋の議会にあっては、インフォーマルな構造がフォーマルな構造に適合されていく傾向があります。
インフォーマルな集団は利益集団、地域集団、党内集団のインフォーマルなリーダー及びその支持者、共通の利益・居住地に基礎を置く友情という形をとり、次第にフォーマルな構造にとってかわられていくのです。