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2010年12月 アーカイブ

自閉症について 6

ところが、インテリ的気風、気ぐらいの高い、いわば誇り高いエリートの家庭のそろっているところではどうも、このような雑な方法は通用しないのです。


なんでもひとつ育児論をぶたねぽ気がすまないという親がそろっていては、うっかりしたことを学校の先生がするわけにもいかないでしょう。


そういう意味なのです。


考えてみると、自閉傾向が育っていく土壌はどうもこのあとで言ったような地域や家庭の状況のなかにあるのではないでしょうか。


しかし前にも述べたように、自閉症自体の発生機構はいまだ不明のところが多いので、今のべたようなごとは、自閉症の本態に迫る、というよりも、いわばその周辺にある自閉傾向児について言ったものであるのかもしれません。


しかし、幼児、学童の多くの自閉傾向児はこの周辺に存在しているのであって、その意味では共通の問題点を示しているものといえるのでありましょう。


自閉症は現在では、その子どもの認知、感覚機構のもともと持っているアンバランスという視点から解明されてきているので、取り扱いの点からも、それほど楽観的にみることはできないし、子どもに対する治療教育も必要なケースのあることは念頭におく必要がありましょう。

自閉症について 7

知恵遅れのある自閉傾向児と知恵遅れのないケースとではその指導の効果はずいぶん異なるので、あくまでも、基本としては、自閉傾向などというレッテルをはることではなくて、その子ども各々の特徴をとらえて、ひとりひとり異なった子どもとして教育するという視点は、もっとも大切なことではないでしょうか。


見通し、すなわち予後についてはどうでしょうか。


自閉症が問題になってからわが国でも20年もたつので、いわゆる予後調査もかなり広範に行われています。


それによると、一般に知恵遅れを伴っていないものはかなり良く社会適応を示している例があります。


概数約4分の1ぐらいでしょう。


しかし残りのもの、すなわち、かなり病的なものは教育や治療を十分に行ってもその予後は必ずしも良くないので、今後とも、情緒障害児の特殊学級や、特殊な治療施設の充実が望まれています。


ずっとさきのことになるかもしれませんが、自閉症の研究が進めば、あるいは、生物化学的な治療の方法もある程度成功してくるかもしれません。


現にそのような方向で薬の研究をしているひともいます、しかし現在のところでは、そのような医学的治療に関してはまだまだ試験的な仮説の段階を越えてはいないのが実際です。

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